Multisliceを用いた脳表の3次元表示の検討


札幌医大病院病院  平野 透

第56回総会学術大会において我々はsinglesliceCTによるvolume rendering法を用いた脳表の三次元画像(3D-CT surface image)の作成を試み、その有用性を報告した。今回multislice CTを導入し脳表の描出能の向上を目的に検討を行った。またMRIによる脳表の三次元画像(3D-MR surface image)と今回のmultisliceCTで作成した画像での脳溝、脳回の描出能について対比検討を行った。頭頂部の脳表の描出能はS/Nよりもpartial volume 効果の影響を受ける為、0.5mm スライス厚を使用することにより従来のsinglesliceCT による三次元画像をはるかに上回る結果が得られた。3D-MR surface imageとの脳溝、脳回の描出能の比較に関しては、0.5mm スライス厚を使用することによってほぼ同等という結果が得られた。よって空間分解能の高いCTは血管系の描出が良好であるため、multislice CT を使用した3D-CT surface imageは脳動静脈奇形や脳腫瘍において、3D-MR surface imageに比べ同等以上の情報を提供できると期待された。