特別講演

胸部CT検査に必要な基礎知識

栃木がんセンター 萩原 芳広

中国のことわざに「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」があります.これは「敵の実力を見極め,己の力を客観的に判断して敵と戦えば,100戦したところで危機に陥るようなことはない」といった意味合いとなります.CT検査にこの言葉を置き換えると,「腫瘍の特徴を見極め,自施設の装置の実力をしっかりと理解し検査にあたれば,検査の質を落とすことなく患者さんに有用な検査が施行できる」になると思います.患者さんに有用な検査を行うには,腫瘍の特徴を把握することと,装置の特徴を理解することは重要であると考えます.今回は胸部CT撮影に必要な基礎知識として,肺癌そのものの特徴とCT画像上でその特徴がどう表現されているか,またその特徴を捉えるためにはどういった撮影条件が必要となってくるか中心に内容の構成をしました.今回の講演内容が胸部CT検査の理解に少しでもつながると幸いです.