特別講演 2
新たな画像診断の可能性 - 320列CTによる4次元解析 -

静岡がんセンター 中屋 良宏

 Area Detector CT(ADCT)「Aquilion ONE」(東芝社製)は、320列の面検出器を搭載し1回転0.35秒で最大16cmの範囲を寝台移動のないボリュームとして撮影が可能です。そのため臓器の血流状態や動態などの時間軸を含めた4次元の解析が可能となり、新たな画像診断の可能性が見出されています。今回、この寝台移動の無いスキャン方式(Volume scan)の物理特性について、64列や160列ヘリカルスキャンと比較しながら提示させていただきました。また、臨床画像の4次元の解析として「肺の動態評価」「動脈静脈の分離」「腹部のインターベンションを利用した血流動態解析」「肝臓のパフージョンによる解析」などを提示し、頭部や心臓領域以外のADCTの臨床的有用性について解説をおこなうとともに、本装置の今後の可能性について私見を述べさせていただきました。